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2017年2月 5日 (日)

労働運動講座の第2回は鳥井一平氏の「移民と労働運動」

昨年の11月に立ち上げた変革のアソシエ講座「新しい労働運動の構想」は、私のバイク事故のために立ち上げ早々に2ヶ月間のお休みとなってしまったのだが、ここで再開しなければと、2月に入ってすぐに、第2回目の講座の講師に予定する全統一労働組合特別中央執行委員の鳥井一平氏と打ち合わせをした。鳥井一平氏はNPO「移住者と連帯する全国ネットワーク」の代表理事でもあり、講演のテーマは「移民と労働運動」となった。「移民と労働運動」というのは、世界中ではあたりまえの運動であるのだけど、難民や外国人労働者の入国を厳しく制限する日本では、ありえない運動とされている。しかし「研修制度」と称する外国人のいわば「人身売買」はかなり以前から問題になっており、それに取り組んできた鳥井一平氏は、2013年にアメリカ国務省から「人身売買と闘うヒーロー」として表彰された。
http://www.labornetjp.org/news/2013/0920torii
しかし鳥井一平氏をヒーローとして表彰したアメリカは、トランプ政権になって移民の締め出しをやりだし、まともな国々がそれを批判する中、安倍政権はわが意を得たりとばかりにトランプ大統領に追随しようとしている。そしてそれは、この先も日本ににおける移民労働者とその労働問題を認めないという対応になるだろうし、正規社員中心の企業別組合である日本の労働組合もそういうものとしてわが身(組合)を守ろうとするだろうことは目に見えている。というわけで、講座「新しい労働運動の構想」第2回のテーマは、いま世界はこの問題の真っ只中にあるといえる「移民と労働運動」、日本の労働運動の現状と問題点も大きく浮かび上がるでしょう。開催日は3月25日か26日を予定、詳しくは続報で、ご期待ください。

もうひとつ鳥井一平氏は、倒産争議を勝ち抜いて自主生産企業として生き残った零細労働者企業をまとめて、困難ながら「自主生産ネットワーク」をやっている。私も失業後に「自主事業サポートセンター」というNPOを立ち上げて、そこに参加していたことがあり、下記はその頃2008年12月23日に書いたブログだが、「自主生産ネットワーク」の忘年会は倒産争議中の占拠した会社で行われ、そこはまた「研修先」から逃げてきた若い中国人女性のシェルターにもなっていたのであった。
http://daruma3.cocolog-nifty.com/nh/2008/12/index.html

さらにもうひとつ鳥井一平氏のことを書くと、50歳を過ぎての失業後、私は自分のSOHO仕事だけでは食えない分をあちこちでアルバイトしたのであったが、ある会社にいた時に、ある日社長から「客商売なのにお前はジジくさいから首だ」と言われた。金正日ばりのワンマンで社員から恐れられていた社長で、それまでも社員の入れ替わりの激しい会社で、私は「辞めるのはいいけど、直ぐに辞めろというなら前賃金一ヶ月分を下さい、さもなければ辞めるのは一ヵ月後で」と言ったら、「何を、直ぐに辞めろ、前賃金など払わない」と言い、連日「辞めろ辞めろ」と言うので、仕方なしに鳥井一平氏に相談したことがあった。そしたら、全統一労働組合から会社に一通の申し入れ書が送られて、後日団交と相成ったのであったが、団交にやって来たのは鳥井一平氏ひとり。私は働いている時には団交を受ける側にいたこともあり、団交にはだいたい強面の労働組合員が何人か来て大声でやるものだが、鳥井一平氏は静かな口調で理路整然と会社側の対応の不当性を述べると、その後社長は自らの団交要員と相談に入り、そこから戻るや、こちらの要求、①前賃金を払え、②半年に遡って雇用保険をつけて会社都合退職とせよ、③解決金が必要だ、の3点を全て飲んだのであった。団交前には社長と談笑していた鳥井一平氏であったが、いざ団交が始まると全身から団交オーラが立ち上り、会社側は蛇ににらまれた蛙の如くにそれに飲まれてしまったわけである。時間にして小1時間、私はあまりの手際にあっけにとられたものであった。

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