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2015年12月21日 (月)

2015年6月1日「こんな旨いものは食べたことがない」

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先週、中国に行ってきた。4泊5日の短い旅であったけど、とても濃い旅であった。旅の企画は、「魯迅仙台留学110周年記念友好訪問団」という大内秀明氏を団長にした仙台市民によるもので、昨秋に仙台で開いた「魯迅仙台留学110周年記念」の集まりに紹興市の魯迅記念館から副館長の参加があり、その答礼として企画され、仙台市長と東北大学学長の親書を携えたものであった。

そこになぜ私が参加したかというと、前にも経過を書いたけど、3月に知り合いの中国大使館の参事官が帰任するに当たって歓送会を開いた際に、昨年末に出した『土着社会主義~』の本を差し上げたら、中国に来られたら北京で議論をしましょうということになったので、今回の仙台の訪中企画に便乗して、当初の企画とは予定外の北京に行ったわけである。

全部で18名の団を、当初の予定通りの「上海→杭州→紹興」のルートに12名、急遽つくった「北京→杭州→紹興」のルートに6名を分けたわけだが、北京ルートは旅行直前になっても北京の中国共産党対外連絡部(中連部)との確認が取れないという危うい事態になったままでの出発であった。後できいてみれば、先週日本から3000名という大訪中団が北京に来たために、中連部の日本担当部署はそれに忙殺されていたようであった。

訪中2日目の午前中に北京は中南海にある中国共産党対外連絡部を訪問すると、そこには予定通りの対応が待っていた。私たちが持参した『土着社会主義~』とモリス&バックス『社会主義』を謹呈すると、中連部からは『20世紀国外社会主義理論、思潮及流派』というB5版480pの本をいただき、その執筆者のひとりである周余云氏から中国における社会主義の考え方の説明を受けた。

私たちの土着社会主義は、ロシア革命以降に教条化され輸入された社会主義に対するオルタナティブであるわけだが、中国側もこれまでのソ連との関係を総括して、「社会主義の共通性はその民族的特色」にあり、「社会主義の原動力はたえざる改革」にあり、「社会主義と資本主義の協力と競争は21世紀のテーマである」と語り、さらに共産党の腐敗の問題から法治、党を厳しく治めていくことなどまで語られたのであった。

午前中の討論の後には豪華な昼食が用意されており、私にとっては「こんな旨いものは食べたことがない」とさえ思えるものであった。午後からも討論の予定であったのだが、中連部の方々は超多忙であるようで、私たちは北京の魯迅記念館見学と大学街の散策などをして、夕方には昼食会の答礼ということで我々が夕食会を用意して、今度は酒を酌み交わしながらまた議論をした。

そこでは酒が入ったせいか、毛沢東の評価から孔子学院のこと、魯迅の弟で対日協力者とされた周作人のことまでが話題になった。毛沢東については文化大革命が批判されながらもトウ小平を超える評価があり、孔子学院はイデオロギーの押し付けではなく中国語の普及のためのものであると言うから、我々は、孔子学院はブリティッシュ・カウンシルを参考にするのがいい、これからの中国が周作人を評価できるような国になることを期待すると語り、大いに飲んだのであった。

訪中3日目は杭州から紹興に移動、名所めぐりなどした後、以前は招待所であり、その後は江沢民から習近平までの中国要人が宿泊するという紹興飯店というホテルで、紹興市政府の要人や紹興魯迅記念館の館長らによるレセプションが開かれた。ここで大内先生から紹興市に仙台市長と東北大学学長の親書が手渡され、今回の訪中の主目的が果たされたのであった。

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