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2015年12月21日 (月)

2015年1月21日「懇親会は満員電車状態にて締切に」

昨日からメディアはイスラム国の話ばかりである。安倍ちゃんの浅い知性と稚拙な外交が、それを逆手に取られて弄ばれているようにさえ見える。1月25日に向けた佐藤優氏の読書は、ちょうど5冊目で最新刊の『世界史の極意』(NHK出版新書2015.1)を読み終えたところで、そこでは資本主義とナショナリズムと宗教が、高い見識から易しく解かれている。例えば「資本主義とナショナリズムと宗教」の関係は、以下のように説かれる

「人間の労働力も商品化され、人間と人間の関係性から生み出される商品もすべてカネに換算され、そのカネを増殖することが自己目的化するのが資本主義経済です。そうした資本主義経済に浸りきってしまうと、<目に見えない世界>への想像力や思考力が皆除してしまう。つまり、超越的なものを思考することができなくなるのです。こうした超越性の欠落を埋めるものがナショナリズムであり、私たちと超越性を安直に結びつけるもの、すなわち超越性へのショートカットが宗数的原理主義なのです」と。

『世界史の極意』は、2012年に出たやはり新書版の『帝国の時代をどう生きるか』の続編みたいなもので、この二著に共通するコンセプトは、新・帝国主義の時代に再び戦争が起きないようにするためには、「いまこそ<大きな物語>が必要だ」ということ。そのために知識人が、これまでの歴史観に代わる「大きな物語」をつくって提示しなければ、その間隙を在特会が語るような稚拙でグロテスクな物語が埋めてしまうという知識人としての危機意識である。佐藤優氏は、こう書いている。

「戦後の平和教育は、東西冷戦下の枠組みでおこなわれてきました。そのため、冷戦終結とともに、その有効性は失われてしまった。そもそも、この段階で、単なるヒストリーを超えた、歴史教育の新たな方向性を模索するべきでした。しかし、知識人はその作業を怠りました。その結果、いまや貧困かつ粗雑な歴史観が跋扈し、それがヘイトスピーチや極端な自国至上史観として現れています」。
「新・帝国主義が進行する現在、ナショナリズムが再び息を吹き返しています。合理性だけでは割り切れないナショナリズムは、近現代人の宗教と言うことができるでしょう。宗教である以上、誰もが無意識であれナショナリズムを自らのうちに抱えている。その暴走を阻止するために、私たちは歴史には複数の見方があることを学ばなければいけないのです」と。

佐藤優氏の凄さと面白さは、佐藤氏が保守主義を自認しながら、今回も書き出しは「すべては『労働力の商品化』から」というように、宇野理論からはじまることである。それは決して『資本論』と宇野理論を否定的にとらえたところから始まるのではなくて、宇野理論の要諦を的確にとらえて、それを宇野派の学者の誰よりも解りやすく説くことにある。いまどき『資本論』と宇野経済学の有効性をこれだけ語りつづけながら、本が売れる人はほかにはいないだろう。

さらに『世界史の極意』では、新・帝国主義とナショナリズムの問題と宗教紛争を高度な知識で解りやすく解説しながら、ウクライナやスコットランドの独立といったナショナリズムや、イスラム国などについて紐解いている。ここは佐藤優氏の十八番とも言えるところで、この本はぜひ読むべしである。

最後に、講演会を金儲けの手段にしない佐藤優氏の講演は、なかなか聞けるものではないのだが、1月25日(日)午後2時から、お茶の水の連合会館201室で行われる出版記念会に参加されて、著者の大内秀明氏、川端康雄氏と佐藤優氏との鼎談をやる。キャパ90名の会場に、現在のところ85名の総参加者がある。ドタキャンもみて、あと2~3名ならなんとか。but 懇親会は40名予定が参加希望者が50名を超えているので、これは満員電車状態となり締切りです。

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