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2015年12月21日 (月)

2014年10月19日.「中村吉治と有賀喜左衛門」

あわただしく10月が過ぎていきます。1日にきりをつけて、布団に入って本を読み出す時が好きな時間だけど、ほとんど読まないうちに眠りにつくことが多い。それでも朝目を覚ますのは早い時間だから、起き出す前に1~2時間本を読むのが私の読書タイムであろうか。

今月は、伊藤洋志『フルサトをつくる』を読んだ後、それに刺激されて私も「フルサト」、私的には「コミュニティ=小共同体」をつくろうと、共同体論を読み始めた。これは11月に出版予定の本のつづきになることで、ちょうど5年前にも「唯物史観に代わる歴史理論」ということで、仙台ヒデさんから中村吉治を教えられたのであったが、当時は手がつかなかったところであった。

そこでやっと中村吉治を読もうと、古書ネットで何冊か購入し、そういえば以前にマイミクのベンさんから「共同体論としては、有賀喜左衛門の社会学もそこに割って入ってますな。労農派のほうに近かったかと」※とコメントをいただいたのを思い出して、中村吉治とあわせて有賀喜左衛門も読むことにして、有賀喜左衛門も読んでみたところである。(※2009年11月 1日 (日)「労農派の本流」参照)

そして驚いたのは、中村吉治も有賀喜左衛門も伊那の出身で、中学も同じなのであった。そして来年から取り組む予定の「私のフルサトつくり」計画の場が、まさに伊那なのである。そして、このシンクロに何か所以があるのだろうかと、ついでに和辻哲郎の『風土』も読んでみた。『風土』はまだ読んでいなかったから、いわば消化読書でもあったのだが、伊那谷という「風土」に関心をもったわけである。

先に読んだ構造主義との関連でいえば、有賀喜左衛門は出たばかりのマリノフスキーの『南太平洋の船乗りたち』を読んでいる。そして、マリノフスキーは多分に唯物史観を意識してこの本書いたようである。そしてその辺りのことは、先輩後輩関係にあった中村吉治にも影響を与えているかもしれない。

そして中村吉治は、『武家の歴史』(岩波新書1967)の「あとがき」に、以下のように書いている。
「どうしても、あとに記しておかねばならぬことは、この本の中で私は封建という語を一度もつかっていないことについてである」。「西欧の封建概念に対して、それに対応するような現象を・・ひろいだして、日本の封建制を云々するような安易な方法がとられていることに、反発を感じているのである。封建的土地所有とか、封建的村落共同体とか、封建的小農民とか・・・」と。

この論の背景には、有賀喜左衛門が「ゲルマン的共同体アジア的共同体、古典古代的共同体に接続してすいいしてきた」とみるウェーバーや、それを「普遍的発展法則」として考えたマルクスへの違和感が引き継がれているように思うわけだが、これらの有賀喜左衛門と中村吉治の発想の根底には、果たして伊那の風土が影響しているのだろうか。来年から伊那をフィールドワークするのが、ますます楽しみになった。

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